めも箱

サラリーマン研究者のブログ

登舟待便風

今週のお題

MEETS CAREER × Hatena Blog 特別お題キャンペーン #2025年仕事の思い出
MEETS CAREER_odai
by マイナビ転職


登舟待便風(舟にのりて、便風を待つ)
月色暗朦朧(月色暗くして、朦朧たり)
欲碾香輪去(香輪をめぐらして、去らんと欲せども)
高山千萬里(高山、千万重)

順風を待って舟出そうと思ったが、今まで明るく輝いていた月が、急に暗く朦朧(おぼろ)になってきた。それではと、車を引いて陸路を行こうとすれば、その陸路はまた高山が延々と続いていてすすむことが難しい。*1

2025年の振り返り

仕事面

  • 特許出願
  • 学会発表(口頭)
  • 技術公報発行
  • メイン業務で大型案件獲得
  • 別の業務もメインに(人手不足)
  • 事業部と兼務(出張が増えた)


 仕事はなかなか「跳ねる」瞬間がなく、というか、そうそう「跳ねる」ものでもないので、動きを止めず取り組むしかないことを痛感しております。年末にしんどくなっていたのは、恐らくどこかで諦めに似た気持ちがあり、跳ねたい気持ちと整合性が取れていなかったのだと思います。

 そんな気持ちが手に宿ったのか、東大寺で引いたおみくじに冒頭の漢詩が載っていました。道なき山道を自分で拓き進めていくポリシーを、今年も忘れないようにしたいです。ちなみに、凶でした。

勉強面


 一方、勉強面では、線形代数の面白さにはまった一年でした。近頃はやりの機械学習に触れる機会が増え、統計(特に回帰分析や多変量解析)の数理に興味を持ちました。大学生時代にうまく付き合えなかった線形代数学に対する後ろめたさ?もあったのかもしれません。

↑この本で写経・演習しつつ、

↑これらの本で、数式の意味を理解するスタイルで進めてきました。

 もともとの本流である統計検定準1級の勉強への合流も見据えつつ、今年も引き続き学習テーマにする予定です。ちょっとだけ広く、ちょっとだけ深く。


 TOEICは900に乗せたい。記事に書いた通りRが伸び悩んでいるので、ひとまず文法の基礎固めから。


ちなみに

 いつもお参りしている神社のおみくじでは、大吉でした。取り組みの結果としての開運なのだと思います。

思う事 思うがままに なしとげて 思う事なき 家の内哉目


上の人の思いがけない引立で
心のままに調い
家内仲良く暮らされます
色を慎み身を正しく目上の人を敬って目下の人を慈しめば愈々運開きます

TOEIC受験報告(2025年)

 会社斡旋のTOEIC Program IPテスト(オンライン)受験を、今年も継続しています。
過去最高スコアでしたが、報奨金ボーダーラインには15pt足りず、来年の受験のモチベーションに転化したいと思います。

過去5年間の得点推移

 今年は早いうち(5、6月)あたりから対策をはじめ、極めろ!シリーズ(全part)の再読と、出る単特急・金の1000問を使用しました。

www.3anet.co.jp
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publications.asahi.com

HSPを活用したより安心な溶剤の設計方法

 有機溶剤の一種であるジメチルホルムアミド (DMF) は、コーティング産業において特に重要な溶剤として知られており、なかでもポリウレタンの溶解に広く使用されています。しかし、最近では、工業プロセスで使用される特定の有機溶剤の毒性が大きな問題となっており、より安全な溶剤への変更が求められています。

 以下の論文では、2種類のポリウレタン(Desmopan®、Desmocoll®) をより安全な溶剤でコーティングできるよう、ハンセン溶解度パラメータ(HSP)を用いてDMFの代替となる溶剤を設計しています。

Identifying sustainable alternatives to dimethyl formamide for coating applications using Hansen Solubility Parameterswww.sciencedirect.com


 ざっくりとした手順と結果は以下の通りです。

手順
 1)ポリウレタンのHSPを求める。
 2)ポリウレタンとDMFのHSP距離を求める。
 3)混合する溶剤の候補を選定する。
 4)2と同じ(もしくはそれ以下の)距離となる混合比を決める。

結果
 Desmopan®) シクロヘキサノン:DMSO=54:46
 Desmocoll®) シクロヘキサノン::ペンズアルデヒド=81:19

 いずれの混合溶剤もDMFよりも毒性が低く、DMFと同様のコストと物性(蒸発速度や沸点)であることと、得られたコーティングフィルムの特性もDMFを使用した場合と同じであったことから、溶剤設計にHSPが有効であると結論付けています。

溶けにくい化合物の親和性評価

 ハンセン溶解度パラメータ(HSP)は化合物の性質を表す値で、化学的な相性の指標として活用されています。

 HSPを実験的に取得する方法として、様々な溶媒に対する親和性を評価する方法があり、溶解度測定はその一例です。

 その方法として、例えば、UV-Vis分光光度計を使用するケースがあります。これは、濃度既知の溶液のピーク強度から作成した検量線をもとに、濃度未知の溶液の濃度を求める、という方法です。HSP取得の観点で考えるならば、複数の溶媒で溶解度を測定し、その結果をもとに化合物のHSPを求める、ということになります。

 しかし、この方法には困難な点があります。溶けにくい化合物だった場合、検量線が作成しにくくなります。また、多種溶媒での測定のため、溶媒ごとに検量線を作成する必要があり、かなりの時間と手間がかかるでしょう。


 次の論文では、良溶媒に対する不溶分の定量という形でこの課題を回避しています。

Determination of Hansen solubility parameters of water-soluble proteins using UV–vis spectrophotometrywww.sciencedirect.com

手順
 ① 一定量の化合物を溶媒に添加する。
 ② 一定時間経過した後、不溶分を回収する。
 ③ 回収した不溶分を、良く溶ける溶媒 (良溶媒) に加えて溶かす。
 ④ ③の良溶媒で検量線を作成する。
 ⑤ ③の吸光度と④から、不溶分の濃度を求める。
 ⑥ ①と④の差から、溶解度を求める。
 ⑦ ⑥の結果をもとにHSPを解析する。


 この方法では溶媒に対する親和性が数値として求まるため、溶媒間の序列をより詳細に評価することも可能と考えられます。

冬かれて 休みしときに 深山木は花 咲く春の 待たれけるかな

おみくじの和歌から。ちなみに大吉でした、やったね。

訳によると、以下とのこと。

何事も心を正直に強く持ち、物事に退屈せず信心怠らず勉めれば、時到りて後にはおおいに仕合せよくなります。騒がず時を待ちなさい。

昨年は部署が変わり、非常に忙しくさせていただきました。開発を手掛けた技術が、まだよちよち歩きの段階ではあるけれど、思った以上にいろんな人に可愛がってもらった気がします。「こんなん出来るんかいな…」ということに取り組めた結果だと思います。実務をやっていただいている後輩にも感謝。色々詰め詰めで対応いただきました。

こうしてみると、去年のおみくじ意外と当たってかもしれません。

渦を巻く 谷の小川の丸木橋 渡る夕べの ここちするかな

初めは危い谷の小川の橋を渡る様な心配事があるが、驚き迷うことはありません。後には何も彼も平和に収ります。凡て小さい事も用心してすればよろしい。

「生産性」「粗利」といった単語が気になるところですが、今年も飛躍できる年にしたいですね。